オリーブの木は1本で実がなる?|自家受粉しやすいおすすめ品種も紹介

オリーブの木は1本で実がなる?自家受粉の仕組みとおすすめ品種
「オリーブの木を1本だけ植えたけど、全然実がつかない…」というご相談をよくいただきます。これはオリーブの木が自家受粉が苦手な性質を持っているからです。この記事では、なぜ2本必要なのか、そしてそれでも育てやすい品種について解説します。
オリーブは雌雄異花:自家受粉が難しい理由
オリーブの木は、1本の木に雄花と雌花が咲く「雌雄異花(しゆういか)」という性質があります。ただし、この雄花と雌花は同時に咲かないことが多く、また、自己花粉に対する拒否反応を持つ品種もあるため、同じ木の中での受粉(自家受粉)は起こりにくいのです。

2品種以上を育てることで受粉率がアップ
異なる品種を近くに植えることで、雄花と雌花がタイミングよく咲き、お互いの花粉をやりとりできます。これにより実がなる確率が一気に高まるのです。特に春〜初夏に咲く花の開花時期が重なるペアが理想的です。
それでも1本で実を楽しみたい?
「庭に1本しか植えられない」「スペースが限られている」そんな方におすすめなのが、自家結実性の高い品種です。これらは花粉を自分自身で受け入れやすく、単体でもある程度の結実が期待できます。
おすすめの自家受粉品種
ピクアル(Picual)

スペインで最も栽培されている代表品種。実のサイズは中〜大で、オリーブオイル用としても有名です。開花が安定しており、自家結実性が比較的高めなので、単独でも実が期待できます。
オークラン(Auckland)

比較的新しいニュージーランド由来の品種。単体でも実がつきやすく、花粉量も豊富なため、他品種の受粉樹としても優秀です。スペースが限られる家庭菜園や鉢植えにも人気です。
🌿 オリーブの実を収穫したいなら2品種セットがおすすめ
自家受粉性の高い品種でも、2本植えることで収穫量はグッとアップします。どの品種を選べば良いか迷ったらこちらをご参照下さい。
▶ 品種の選び方をチェックよくある質問(FAQ)
Q. 受粉しやすい2本の木の距離は?
A. 理想は2〜5m以内。風や昆虫が花粉を運ぶため、あまり離しすぎると受粉率が下がります。鉢植えの場合は隣同士に並べて育てるのがおすすめです。
Q. どういう場所なら受粉しやすい?
A. 日当たりが良く、風通しの良い場所がベストです。特に春の開花期に風がよく通る環境だと、花粉が広がりやすくなります。
Q. 受粉するための条件は?
A. 主な条件は次の3つです:
- ・2品種の開花時期が重なること
- ・風や昆虫が花粉を運べる環境であること
- ・木が健康で、花付きが良い状態であること
Q. 剪定すると実がつかなくなりますか?
A. 剪定の時期とやり方によっては、実がつかなくなる原因になります。花芽は前年に伸びた枝につくため、春の花芽ができる前(冬〜早春)に軽めの剪定をするのが基本です。花芽をすべて切ってしまうと、当然その年は実がなりません。