古木オリーブのメンテナンスと長寿化のコツ|剪定・肥料・水やり・病害虫対策
樹齢を重ねた古木オリーブは、若木とは異なる“守りのメンテナンス”が鍵。
本記事では剪定・肥料・水やり・病害虫対策を季節軸で整理し、長寿化のコツを実践的に解説します。

剪定:年代別の基本と季節の進め方
古木は回復力が低いため、強剪定は段階実施が原則。晩冬〜早春に整枝を中心に行い、内部に採光窓を作ると病害予防と花芽形成に有効です。
- 30〜50年:徒長枝・交差枝の間引き中心。樹冠の20%以内で軽やかに。
- 50〜80年:古い結果枝の段階更新(2〜3年計画)。切口は最小化。
- 100年級:危険枝除去と通風確保に留め、強い切り戻しは避ける。
雨天前後の大きな切り口は避け、3cm超は滑らかに整形。詳細は 年代別剪定ガイドへ。

肥料:年3期の設計と配分
古木では急激な窒素過多は避け、年3回の緩やかな施肥が基本。根圏の健全化をセットで行うと効果が安定します。
- 早春(発芽前):基礎肥(有機質中心)。生育の土台づくり。
- 初夏(着果期):開花後はリン酸・カリを意識し、実成りをサポート。
- 秋(収穫後):回復用の有機質肥+微量要素。翌春への体力貯蓄。
鉢は少量多回、地植えは中量少回が目安。排水不良時の施肥は控えめに。
水やり:季節と鉢/地植え別の目安
- 鉢植え:表土が乾いたらたっぷり。真夏は朝夕の様子見。マルチングで乾燥&過熱を軽減。
- 地植え:定着後は過湿に注意。長雨時は根元の停滞水を排除。
- 冬:休眠期は回数を減らし、根鉢を凍らせない範囲で管理。

通風・排水:根を守る環境づくり
長寿化の最重要ポイントは風通しと排水。風は葉を乾かし病害を抑え、排水は根腐れを防ぎます。
- 透排水改良:軽石・砂礫・腐植を混和し、根圏の空気を確保。
- 鉢高アップ:受け皿は水溜まりの原因。スペーサーで底上げ。
- 雑草・落葉管理:風通しを妨げる原因は定期除去。
病害虫対策:古木で注意したい症状
- カイガラムシ:葉や枝に白/茶の付着物。歯ブラシ+散水で物理除去→風通し改善。
- スス病:葉が黒く煤ける。甘露源(アブラムシ等)対策+通風で再発抑制。
- 枝枯れ症状:古傷や過湿が誘因。剪定は乾いた日に、切口は滑らかに整形。
発生源(込み枝・過湿)を断つのが再発防止の近道。観察→原因除去→環境改善の順に。
年間メンテナンスカレンダー
- 1〜3月:主剪定(強剪定は段階実施)/排水改善・用土見直し
- 4〜6月:整枝・花芽確認/着果期の施肥(窒素/リン酸/カリ)
- 7〜8月:高温期は強剪定NG/水やり・マルチング強化
- 9〜10月:実負担を見つつ軽整枝/病害枝の除去
- 11〜12月:翌季計画の下見/危険枝の安全処置
個体に合わせた剪定・施肥プランを、在庫写真と共にご提案します。
大型商品の配送・配達についてのご注意
古木オリーブや大鉢商品をご検討の際は、下記をご確認ください。
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古木オリーブ × シンボルツリー特化シリーズ
Q&A(よくある質問)
Q. どのくらいの頻度で剪定すればいい?
A. 年1回の整枝+数年計画の更新剪定が基本。高温期の強剪定は避けます。
Q. 施肥量の目安は?
A. 樹冠投影1㎡あたり有機質500〜800gを季節に分けて。鉢は少量多回。
Q. 害虫が出たらどうする?
A. まず物理除去と通風改善。再発要因(過湿・込み枝)を取り除くのが最優先です。
用語注釈
- 採光窓:樹冠内部に光と風を通すための空間。
- 結果枝:花や実をつける枝。老化すると結実が不安定になる。
- マルチング:用土表面を覆い、乾燥・雑草・温度変化を抑える管理法。